確定交渉です!現場の声を届けて!

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 組合は10~11月に、全教職員の賃金、権利等の改善について、県教委と交渉を行います(「賃金・権利」確定交渉)。交渉では全国や他県の状況、法令等も含めて話をしますが、最も大きな説得力を持つのは現場の声です。
 組合は、多くの職員の声を集めて、県教委との交渉に活かしたいと考えています。賃金や権利、休暇、忙しい状況、ハラスメント等々についてのあなたの思いを、届けてください。

クレスコ10月号

2025年10月号 9月20日発行【特集】ジェンダー平等の実現で学校はどう変わる?

 世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数。2025年の日本の順位は148か国中118位です。この10年間ほとんど変わっていません。「ジェンダー平等」という言葉は、社会や学校の中に徐々に浸透してきているものの、すべての国民の基本的人権としてジェンダー格差の解消を推し進める認識も政策もまだまだ不十分です。

 日本国憲法には「個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して」家族的生活がおこなわれることが明記されているにもかかわらず、子どもたちが日々生活している社会には、家父長的な家族観や固定的性別役割分担による差別や偏見が未だに存在しています。学校においては、教科書の記述や、教職員の日常的な言葉遣い、役割分担、子育てや育児への向き合い方などの中にそうした価値観が隠れていて、アンコンシャスバイアスとなって子どもたちのジェンダー認識に大きな影響を与えています。

 全教は昨年10月にジェンダー平等宣言を発表しました。ジェンダー平等の実現にとって教育の果たす役割は大きいとしたうえで、学校や社会の中の「違和感」を子どもとともにあぶりだし、考え、変えていくこと、その際、教職員自身が、ジェンダー平等が実現した社会や学校を具体的に思い描き、子どもたちと共感・共有していくことを呼びかけています。この特集をきっかけにして、近い未来に実現したいジェンダー平等の学校を自由に思い描いていただければと願います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 学校の日常をジェンダーの視点から問い直す……前川直哉(福島大学)
  • 子どもの声から学校の「男性性」をまなざす……大江未知(元小学校教員・大学教員)
  • 国際水準レベルで働くためにー仕事の世界におけるジェンダー平等実現への一歩ー……髙木りつ(全労連副議長)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……松井朝子(パントマイミスト)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……前泊博盛(沖縄国際大学)

「持ってる人は持ってきて」と「買って持ってきて」は大きな違い

 9月15日の教育長の答弁は「私有の端末を学校に持参してもらう方式を導入したい」ということでしたが、9月25日の県教委の答弁についての長崎新聞の記事は「家庭で端末を用意してもらう方針」と書かれてあります。すでに持ってる物を持ってくるというのと、家庭で用意するというのは全く違う話です。どういうことなのか? 

 今度県教委の皆さんが高教組に説明に来られるそうです。

クレスコ9月号

2025年9月号 8月20日発行【特集】子どもたちのリアルをつかもう ~こころとからだのSOS~

 2023年度の小・中学校における不登校児童生徒数は約34.6万人。11年連続で増加し、過去最多となりました。学校に行きづらい子どもたちが発しているSOSを、私たちはどれだけ受け止められているでしょうか。

  • ★特集★
  • 『子どものからだと心白書』から見えてくる”からだと心”のSOS……鹿野晶子(日本体育大学)
  • 子どもに寄り添うということー聴くことを切り口にして……春日井敏之(立命館大学名誉教授)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……酒井京子(紙芝居文化の会代表・童心社会長)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……前泊博盛(沖縄国際大学)

教育のつどいに参加した若い組合員の感想

 「教育のつどい」に参加した長崎高教組の若い組合員の素敵な感想。このような教師でありたいものです。

★  ★  ★  ★  ★

 それぞれの実践から共通して感じたことは、「子どもの願いに気づき、子どもの願いから出発する授業を行うこと」の大切さである。また、その子の実態に応じて教材・教具を丁寧に準備することが、学びへの意欲を引き出し、可能性を広げることにつながることを改めて学んだ。
 近年「働き方改革」が叫ばれているが、子どもと関わる時間や、子どものために教材をつくる時間は決して削るべきではなく、むしろ大切に確保すべき時間だと強く感じた。今後は、限られた時間の中でも工夫を重ね、子どもに寄り添う授業づくりに努めていきたいと思う。

素敵な先生のお話

NHKオンデマンドで視聴できます。少し前のものですが、今だからこそ多くの人に見てほしい番組です。

プロフェッショナル 仕事の流儀 「心よ、壁を越えてゆけ~夜間中学教師・入江陽子~」 – 動画配信

「心よ、壁を越えてゆけ〜夜間中学教師・入江陽子〜」

初回放送日:2021年5月25日

義務教育の内容を学び直せる夜間中学。日本で暮らす外国人が288万人に上る今、その生徒の8割は外国人だ。そこで27年教壇に立ち続け、慕われてきたのが入江陽子(53)。日本語のイロハから丁寧に教え、この国で生きていく力を身につけようと懸命に学ぶ人たちを支えている。言葉、国籍、文化など、さまざまな違いをどうすれば乗り越えていけるか。「心が通じ合う瞬間がある」という入江と生徒たちが織りなす心の交流の記録。

少年少女平和のつどい

 8月8日、原水爆禁止世界大会の関連行事として行われた「少年少女平和のつどい」に長崎高教組の3人も参加し、被爆遺構フィールドワークなどを通して、子どもたちに平和の尊さを教えました。

教職員平和のつどい

 原水禁世界大会に参加する教職員のうち有志が、8月7日夜、セントヒル長崎に集まって集いあいました。長崎高教組佐藤書記次長の平和教育の実践も紹介されました。各県から平和についての思いも発表され、とても楽しい交流ができました。また途中から海外代表のフランスの労働組合の方々も参加し、長崎高教組の外国語担当教諭が通訳を担当。楽しく語り合いました。

地理教育研究会第63回大会が長崎で開催されます

地理教育研究会ウェブサイト

 教職員組合とも友誼関係にある民間教育研究団体で、日本学術会議・協力学術研究団体でもある地理教育研究会が、第63回大会を、2025年8月2日(土)~8月4日(月)に長崎県勤労福祉会館(長崎市桜町9番6号)にて開催します。参加申し込みは同会事務局に7月14日まで。組合からの参加費や交通費などの補助はありませんが、またとない機会ですので、地理に興味のあられる方はぜひご参加ください。組合員の方だけでなく、管理職の方、退職された方、一般の方、学生など、どなたでも参加可能です。詳しくは下記の大会案内をダウンロードしてご確認ください。

一時金支払い日

6月30日は一時金の支払い日です。
昨年度の交渉の結果、6月分の月数は次の通り改善されました。
一般教職員・会計年度任用職員(0.05月増)
      期末1.250月 勤勉1.050月基準
再任用職員(0.025月増) 
      期末 0.70月 勤勉 0.50月基準

 上記の内容は、労働条件の変更ですので、管理職は教職員に連絡する必要があり、朝会で事務長から伝えることが一般的です。しかし最近は連絡のない職場もあるとも聞きます。

 ほとんどの職員が口座振替であるため支払うという感覚が薄れているのかもしれませんが、教職員は自動的に働いてくれるロボットではありません。支払うという意識が雇う側には必要です。

 なお、「ボーナス日」を「ノー残業デー」と設定している職場は多いかと思います。せめてこの日ぐらいは、との思いで設定しているのは重々承知ですが、「この日だけは早く帰ってよい。早く帰れるものなら…」というような現状になってしまっているのは、早急に是正されるべきです。毎日当たり前のように時間外労働を重ねて、残業代も支払われず、この日だけご褒美として定時に帰ってよい(帰れるならば)ということになってしまっているという、古代ローマ帝国の奴隷制度のようなしくみでは(ちなみにローマでは教師は奴隷でした)、教職員のなり手はますます減っていくのではないでしょうか?

給特法等の改定に抗議し、本県での諸手当等の改悪と主務教諭の導入に反対する特別決議

第96回定期大会で決議しました。 国語科教員である島原支部長が朗々と読み上げました。

長崎県高等学校教職員組合は、すべて教職員の長時間過密労働の解消を求めるとともに、本県での諸手当等の改悪と主務教諭の導入に反対してこれらを阻止するため、団結して奮闘します。

第96回定期大会

 長崎高教組は6月21日、大村市・中央コミセンで、第96回定期大会を開きました。すべての議案を全会一致で原案通り可決しました。

【生活・権利、教育条件整備などにおける主な発言】
〇地域活動での夜の見回りに学校の職員として参加するよう指示されてるのに、勤務扱いにならないのはおかしい。
〇学校に依存するような社会でいいのかも問われている。
〇子の看護休暇、「行事」が加わったのだから名称を変更すべき。
〇休暇は分かりやすい名称であるべき。その方が取得率は高まる。名称がわかりづらいと気づかない人もいる。
〇「行事」の拡大を求めていくべき。
〇子ども看護休暇の拡大についてだが、組合員は知っているが、組合に入っていないと知らなかった人は多い。
〇人事異動の内示を早めてほしい。引越しがピーク時に重なる。
〇教員の人事異動で4年は短い。6年での異動を強く要求すべき。
〇部活動は生徒の自主的な課外活動なのに、部活動での人事異動はおかしい。自己推薦書にそれを書くなどといったこともおかしい。
〇加配が削られ職員が減となった。生徒に合わせた丁寧な授業が組めなくなっている。
〇非常勤がつけば授業はカバーできるが、担任や分掌は担当できないので常勤がほしい。
〇暑いのでエアコンを早めに入れてほしいと管理職にお願いしたら、「エアコンを早く入れたらその分冬に暖房を我慢してもらう」と言われた。子どもたちに向き合う者の発言としていかがなものか。根本の原因は学校に降りる予算が少ないからだと思うので、県教委が教育予算を確保することが必要。
〇生徒数の減少もありグラウンドに雑草が生えやすくなっている。野球部顧問が自家用車にレーキをつないで除草作業をしており、何とか使える状態にはなっているが、その顧問の自家用車は砂埃もかぶっている。またその除草作業は部活終了後でないとできないので、平日の夕方だったり、休みの日だったりで、すべてサービス残業。このような教師の犠牲によりかかった制度でよいのか。県の施設なのだから県が責任を果たすべき。
〇ある高校のPTA総会に保護者として参加していたところ「パソコンの故障が増えていて1年生に全員に貸与できない。購入できる人は自分で買ってほしい」との話が出た。高価でもあり保護者負担とすべきではない。県は容認したのか?
〇パソコンの修理に多くの時間が取られている。これは教員の仕事なのか? 子どもと向き合う時間を削られてパソコンと向き合わないといけないのはおかしい。

全教、記者会見

6月11日、給特法等改定案の成立を受けて、全教は記者発表を行いました。10社の報道機関が参加しました。「主務教諭」の創設と特別支援にかかわる「給料の調整額」の半減に関わる質問がありました。

 子どもたちのSOSを受け止め、子どもたち一人ひとりの成長と発達に寄り添った教育を実現するために、長時間過密労働と教職員未配置の解消は絶対条件です。全教は、ゆきとどいた教育を実現するため、教育政策の転換と教育予算増の実現をめざします。

 長崎高教組は、改定法案の条例化を許さないたたかいに全力をあげる決意です。

教育職給料表の改定の準備

 6月11日に給特法等改定案が成立したことで、主務教諭が導入され、そのための級が新設されます。国がモデルとした東京都の制度にあてはめると以下の通り。
  1級 実習教員・寄宿舎指導員
  2級 教諭
  3級 主務教諭
  4級 主幹教諭・指導教諭
  5級 副校長・教頭
  6級 校長

 各県では、現在密かに改定を準備しているようです。すでに校長会で県教委が報告してしまった県もあるらしい。

 ちなみに東京都では3級でも導入前の教諭の賃金より低いそうです。

 改定での政府の狙いは、学校の階層化とトップダウン化、人件費の切り下げ、の2つで、長時間労働の縮減ではありません。

 長時間労働縮減に期待して、与党案の密室での修正に乗ってしまった政党や教職員組合が多くあり、そのために教職員の願いであった反対での一致を貫けず、法案成立を許してしまったことは、誠に残念なことです。

給特法等改定案、参院本会議での討論の要旨

会派は発言順に記載。

共産(反対)   
 残業代不支給が教員を増やさないことにつながっている。
 教職調整額が残業代の代わりなら10%では足りない。
 特支調整額など諸手当等の削減は不当。
 主務教諭の新設は職員の分断を生む。
 時間外労働の存在を認めることが縮減の大前提。

立民・社民・無所属(賛成)
 少しでも長時間労働の縮減につながる修正をと考え、
 立民が中心となって附則をつけたので賛成。
 以下の項目の実施を求める。  
 ①持ちコマ数の削減②教育課程の編成の見直し③教員の増員④支援員の増員、保護者対応などでの措置⑤中学35人学級の次年度からの実現⑥勤務実態調査の実施

維新(賛成)
 教員が時間的精神的にゆとりをもって働くことをめざす法案なので賛成。
 維新が要求して実現した附則は第5条。その趣旨は人事評価の改善が必要ということ。休んだ先生の代わりに働いた時間数の記載欄を設けるなどし、頑張った先生の業績が評価され、賃金やボーナス、昇給に反映するようにすべき。人事評価のしくみを国が示すべき。

国民(賛成)
 一定の前進があるので賛成。
 アフタースクール等の充実も必要。

参議院インターネット審議中継

全教委員長の訴え

「主務教諭」導入は長時間過密労働の解消と全く無縁。学校現場の階層化、序列化はなぜ有害か。『クレスコ』6月号の児美川さんの論考は強い説得力をもつ。今の現場の危機をもたらしたのは教育政策。