長崎県労連議長の25年頭挨拶

 2025年がスタートしました。
 物価高が続いています。そのような中、政府も経済界も「賃上げ」を口にしています。
 しかし、具体的に自分の賃金がどうなるのかについては、黙っていても誰かが上げてくれるというものではありません。
 こう書くと、「最低賃金や公務員賃金はどうなの?」と突っ込みを受けそうです。しかし、最低賃金も公務員賃金も、今の水準に引き上げができているのは、労働者・労働組合が声をあげ続けた到達点である、ということを踏まえておく必要があります。
 まず最低賃金。都道府県ごとの最低賃金は、労働者、使用者、公益のそれぞれの代表者が集まる審議会で毎年決められますが、最近の「過去最高」の引き上げは、労働側委員の奮闘、そして県内の労働者(労働組合など)から出される意見書や審議会での意見陳述などを通じて、わたしたち労働者・労働組合が、最低賃金の大幅な引き上げを求め続けた結果です。
 そして公務員賃金(公務員賃金に準拠する多くの民間の賃金を含む)についても、人事院の調査による民間の春闘妥結状況の反映や、法律で権利が制限されているとはいえ、公務員の労働組合が人事院や総務省へ現場の現状を伝える交渉など、当事者である官民の労働者が、労働組合を通じて粘り強く声をあげることを通じて、賃上げを勝ち取っているのです。
 したがって、わたしたち労働者が生活に必要な賃上げを具体的に得るためには、(会社側(使用者)の良心や政府の政策を待つのではなく、)わたしたち労働者自らが、いまの自分たちの生活の苦しさ、職場の厳しい現状を直接会社側(使用者)に訴えることが重要です。
 そのための仕組みとして、憲法や法律を後ろ盾とする「労働組合」が存在するのです。
 職場の不満や課題を職場ごとに出し合って、その改善のために求めるもの(=要求)をとりまとめ、職場の代表として労働組合から要求書を会社側(使用者)へ提出し、労使対等の立場で交渉を行い、要求に対する会社側(使用者)の回答を一つ一つ引き出していくことで、賃上げや人手不足の解消などの要求を実現させていきます。
 実際、交渉は一筋縄ではいきません。そのため、労働者側にはストライキ(労働組合の統一的意思に従って、労働者が労働力の提供を拒否する行為)などの争議行為を行うことが原則認められていて、正当な争議行為については、会社側(使用者)が被る損害に対する刑事上及び民事上の免責が労働組合法により認められています。
 実際、約60年前にも厳しい物価上昇が続いた時期があり、労働組合の高い組織率とこれを背景にたたかわれた交渉や数多くのストライキを通じて、大幅賃上げが勝ち取られてきました。
 年明け以降、例えば食品では今月から4月にかけて6,000品目の値上げが予定されるなど、さらなる物価高が続きます。このような中で、わたしたち労働者の生活と職場の改善は、どれだけ自ら声をあげることができるのか、どれだけの働く仲間が労働組合に結集できるのか、どれだけの労働組合が要求書を提出し、ストライキを背景とした力強い交渉をどれだけたたかえるのか、にかかっています。
これからはじまる2025春闘を皮切りに、今年1年、長崎県労連は奮闘します。
今年もよろしくお願いいたします。

2025年 正月
長崎県労働組合総連合(長崎県労連)
議長 鳥巣雄樹