希望がある場合に留めよ

 スポーツ庁と文化庁が共同で設置する、部活動の地域展開に関する諮問機関「部活動の地域展開・地域クラブの推進等に関する調査研究協力者会議」は、25年6月より12月まで10回開催されました。10月の第8回会議では「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」の骨子が示されました。そこには「中学校の教師だけでなく、小学校の教師(体育科教員を含む)、さらには、高等学校・特別支援学校の教師、事務職員など幅広い者が、その希望に応じて、円滑に兼職兼業を行うことが出来る環境を整備することが重要」とされています。「希望に応じて」の部分が、実態のあるものでなければ、教職員の長時間過密労働を自発的なものとごまかし問題をさらに深刻化させることにもなりかねません。

部活動改革に関する新たなガイドライン策定

 12/22、スポーツ庁・文化庁は、2026年度からの部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関して、国としての考え方を示すものとして、新たに「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」を策定しました。

25九州キャラバン

 教職員組合共同闘争推進連絡会九州ブロックは、「九州キャラバン」として、11月19日に、新日本婦人の会や高校・障害児学校退職教職員の会とともに、県教委・知事部局との交渉を行いました。全教北九州よりブロック代表も出席してくれました。
 長時間過密労働の縮減、教職員未配置の解消、給特法改定に伴う諸問題、講師の2級適用、学級規模の縮小、小・中での全県学力テストの廃止・見直し、タブレットの個人負担、トイレへの生理用品の配置、高校生の就職支援等について、議論を交わしました。
 高教組は「業務改善アクションプラン」での月の超過勤務が45時間以上をゼロにする目標年度が25年度であることを指摘し、なぜできなかったか、今後の改善の手立ては何かと質しましたが、県教委からの十分な回答はありませんでした。

25年度第4回賃金権利確定交渉

 11月14日、25年度賃金権利確定交渉の最終となる第4回交渉を行いました。冒頭、県教委が第3次回答(臨時職員初任給上限の改善、熱中症対策、通勤手当の改善など)を行い、やりとりしました。その後長時間過密労働問題を中心にやりとりしました。

【熱中症対策】 →ここをクリック
【長時間過密労働問題】 →ここをクリック

 第3次回答の内容等、この他については、中央委員会の議案書に掲載しています。組合員の方はそちらでご確認ください。

中教審が緊急声明

 2025年11月12日、中央教育審議会初等中等教育分科会「教師を取り巻く環境整備特別部会」は下記の緊急声明を発しました。①中学校35人学級に向けて教諭の定数増、②不登校や多様な教育課題等に対応するため養護教諭と事務職員も定数増、③学校を支えるスタッフ(教育業務支援員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等)の配置充実、部活動の地域展開のための財政措置などの実現を政府に求めています。

全国で数千人が未配置

 全教は毎年5月と10月に未配置状況調査を行っていますが、毎回全国で数千人の未配置が確認されています。5月調査で未配置の学校が、10月でも未配置のままになっているケースは多く、人手不足は深刻です。非常勤講師での対応が多くありますが、この場合、担任や部活動はカバーされないので、現場の負担は重く、根本的な解決とはなりません。

70%が持ち帰り、75%が土日に働く

持ち帰りでは多くが「4時間以上」

 全教は10月に全国の組織を通じて時間外労働実態調査を行いました。それによると70%が平日に持ち帰り仕事を行っており、75%が土日に仕事を行っています。平日の持ち帰りの時間数を1時間ごとに区切った聞いたところ「4時間以上」が最も高い割合を占めています。

25年度第2回賃金権利確定交渉

 10月31日、25年度第2回賃金権利確定交渉を行いました。具体的項目のうち特に重点部分についてやりとりしました。

【主務教諭・教員特別手当の職務別支給】私たちの組合は教育に及ぼす多大な問題点を指摘し、本県に導入しないよう求めました。→このことに対し県教委は「もう少し研究が必要」としつつ、「今後というか決めていきたいなという風には思っている」と回答しました。
【常勤講師の2級適用】私たちの組合は、常勤講師について総務省の通知を踏まえて2級とするよう求めました。県教委は見直しは考えていないとしつつ他県の状況を把握したいと回答しました。
【通勤手当】私たちの組合は、本県では通勤での自家用車の利用が多いことを踏まえて改善を求めました。また駐車場に関する分についての新設を求めました。県教委は検討していると回答しました。
【先読み加配】産休取得が分かっている場合に年度当初より人員を加配するいわゆる「先読み加配」について、私たちの組合は他県の状況を示して本県でも導入するよう求めました。県教委は「できればいいなと思う」「検討させてほしい」と回答しました。
【ICT担当者の業務過多問題】私たちの組合は、教員の本来業務ではないと指摘し、業務支援員の増員を求めました。県教委は国の現行制度では困難と回答しました。
【宿日直手当】私たちの組合は舎監の業務の実態を示し増額を求めました。
 
 詳細及びこの他のやりとりについては、中央委員会の議案書に掲載しています。組合員の方はそちらでご確認ください。

Noデロゲーション Yes 7時間労働制

 政府・財界は労働基準法の核ともいうべき労使対等の原則や労働時間規制の解体を狙っています。「適用除外」を意味する「デロゲーション」という言葉が、厚労省や経団連での議論の中でさかんに用いられています。これは使用者側が労働者側の代表(使用者側が任命できる)との間で合意すれば、使用者に対する労基法の規制を撤廃できるとするものです。
 高市首相は10月21日の内閣発足直後、厚生労働大臣に労働時間の規制緩和を指示しました。自身は「ワークライフバランスを捨てる」と宣言した首相の指示でもあり、大きな影響を及ぼすことは必至です。今後具体化の動きが現れないか注視する必要があります。
 全労連は使用者が1日に働かせる時間を7時間に規制する「1日7時間労働制」の実現を求めて運動を開始していますが、これを大きく広げていく必要があります。

25年度第1回賃金権利確定交渉(教育長交渉)

 10月24日、25年度第1回賃金権利確定交渉を教育長出席の下で行いました。本部の他、青年部長も参加しました。

 人事委員会勧告に沿った大幅改善とともに、実習教員の呼称改善や、「持ち帰り業務の実態把握と縮減に向けた取組を行う」との回答がありました。
 休憩時間に業務があるのは労働法制に反するとの私たちの指摘に対し、教育長は「休憩時間に会議を入れるということは絶対にやってはならない。管理職に徹底していく」と回答しました。
 また空調の設置拡大が必要との私たちの要求に対し、教育長は「夏の体育館は空調なしには使えないような状況。設置は喫緊の課題」と回答しました。
 生徒の実績や中学生の獲得での学校間の競争をなくすべきとの私たちの要求に対し、教育長は「不要な競争を煽るのはなくしたい。生徒を取り合うのは余分な仕事。定員割れでも少人数学級で手厚い教育ができるのであればそれで構わない」と回答しました。
 年休取得時に管理職が「体調が悪いのか」などと聞くケースが未だある問題について私たちの組合は「心配であれば別の機会に聞けばよい」と指摘しましたが、教育長は「大事な指摘」と回答しました。
 長時間過密労働解消のための人員増を国に働きかけよとの私たちの要求に対し、教育長は「皆さんの声を国に届けるのが私の役割」と回答しました。
 この他にも重要な動きが何点かありますが、ネット上では公表できない内容のため、組合員の方は中央委員会の議案書にてご確認ください。

私たちは、教職員が余裕を持って働けるよう、労働組合として、ワークライフバランスが保たれ、人が馬車馬のように働かなくて済む社会の実現をめざします。

 ある方がご自分の意気込みを語っておられますが、周りの方々、特に議員の黒子としてあらゆる議案や国会答弁のシナリオを作成し、資料を準備する霞が関の公務員たち(0時を回っても働いている方々)は、どう思ったことでしょうか?また過労死の遺族の方々もどう思ったことでしょうか?
 人の上に立つ方は、ご自分がどんなに嬉しい時でも、常にみんなのことを考えて、慎重に行動していただきたいものです。

過労死シンポジウム

新総裁「馬車馬のように働いていただく」「ワークライフバランスを捨てる」

公務共闘、人事委員会交渉

 9月19日、長崎県公務共闘は、25人事委員会勧告に向けて、人事委員会と交渉を行いました。公務共闘は、①生計費準拠と物価高を上回る賃上げ、②自家用車通勤が多い本県の実態に合わせた通勤手当の改善、③長時間過密労働の是正、④再任用者の賃金・一時金の改善の4点を中心に要求し交渉しました。
 ②では、人勧での駐車場利用等の通勤手当新設の動きがある中で、長崎商業職員の置かれている県立学校との間の不公平な差別待遇との矛盾についても指摘し、問題の解決を要求しました。
 ③では、教職員の出退勤記録簿の記入の際に多くの職場で管理職が忖度を求めている実態を示し、労働基準監督機関として、県教委に正確な実態の把握と、必要な人員配置を行うよう働きかけることを要求しました。

業務の3分類

 中央教育審議会初等中等教育分科会「教師を取り巻く環境整備特別部会」は、8月19日、いわゆる「業務の3分類」の改定案を示しました。教諭においては一定の負担軽減につながるものの、その業務を事務職員や実習教員などに置き換えることが促されており、人を増やさなければ同僚性に支障をきたす結果となり、そのことは逆に負担を増やすことにもなりかねません。教職員定数の抜本改善が必要です。

人事院前に集まる

 7月25日、えがお署名の提出に続き、人事院前に移動し、他の公務労組と合流。全国から集まった公務労働者500人が、人事院の玄関からそこにつながる道路、向かいの公園までを埋め尽くしました‼️各組織マイクリレーでの街頭要請を行い、続けて代表団が「人勧署名」を提出し、交渉を行いました。

えがお署名提出‼️

全国から多くの教職員が文科省玄関前に集まって集会。長崎からは赤と黄の2本の旗が立ちました。この後、えがお署名を提出し、交渉しました。署名の全国での集約数は90,005筆でした。

一時金支払い日

6月30日は一時金の支払い日です。
昨年度の交渉の結果、6月分の月数は次の通り改善されました。
一般教職員・会計年度任用職員(0.05月増)
      期末1.250月 勤勉1.050月基準
再任用職員(0.025月増) 
      期末 0.70月 勤勉 0.50月基準

 上記の内容は、労働条件の変更ですので、管理職は教職員に連絡する必要があり、朝会で事務長から伝えることが一般的です。しかし最近は連絡のない職場もあるとも聞きます。

 ほとんどの職員が口座振替であるため支払うという感覚が薄れているのかもしれませんが、教職員は自動的に働いてくれるロボットではありません。支払うという意識が雇う側には必要です。

 なお、「ボーナス日」を「ノー残業デー」と設定している職場は多いかと思います。せめてこの日ぐらいは、との思いで設定しているのは重々承知ですが、「この日だけは早く帰ってよい。早く帰れるものなら…」というような現状になってしまっているのは、早急に是正されるべきです。毎日当たり前のように時間外労働を重ねて、残業代も支払われず、この日だけご褒美として定時に帰ってよい(帰れるならば)ということになってしまっているという、古代ローマ帝国の奴隷制度のようなしくみでは(ちなみにローマでは教師は奴隷でした)、教職員のなり手はますます減っていくのではないでしょうか?

給特法等の改定に抗議し、本県での諸手当等の改悪と主務教諭の導入に反対する特別決議

第96回定期大会で決議しました。 国語科教員である島原支部長が朗々と読み上げました。

長崎県高等学校教職員組合は、すべて教職員の長時間過密労働の解消を求めるとともに、本県での諸手当等の改悪と主務教諭の導入に反対してこれらを阻止するため、団結して奮闘します。

第96回定期大会

 長崎高教組は6月21日、大村市・中央コミセンで、第96回定期大会を開きました。すべての議案を全会一致で原案通り可決しました。

【生活・権利、教育条件整備などにおける主な発言】
〇地域活動での夜の見回りに学校の職員として参加するよう指示されてるのに、勤務扱いにならないのはおかしい。
〇学校に依存するような社会でいいのかも問われている。
〇子の看護休暇、「行事」が加わったのだから名称を変更すべき。
〇休暇は分かりやすい名称であるべき。その方が取得率は高まる。名称がわかりづらいと気づかない人もいる。
〇「行事」の拡大を求めていくべき。
〇子ども看護休暇の拡大についてだが、組合員は知っているが、組合に入っていないと知らなかった人は多い。
〇人事異動の内示を早めてほしい。引越しがピーク時に重なる。
〇教員の人事異動で4年は短い。6年での異動を強く要求すべき。
〇部活動は生徒の自主的な課外活動なのに、部活動での人事異動はおかしい。自己推薦書にそれを書くなどといったこともおかしい。
〇加配が削られ職員が減となった。生徒に合わせた丁寧な授業が組めなくなっている。
〇非常勤がつけば授業はカバーできるが、担任や分掌は担当できないので常勤がほしい。
〇暑いのでエアコンを早めに入れてほしいと管理職にお願いしたら、「エアコンを早く入れたらその分冬に暖房を我慢してもらう」と言われた。子どもたちに向き合う者の発言としていかがなものか。根本の原因は学校に降りる予算が少ないからだと思うので、県教委が教育予算を確保することが必要。
〇生徒数の減少もありグラウンドに雑草が生えやすくなっている。野球部顧問が自家用車にレーキをつないで除草作業をしており、何とか使える状態にはなっているが、その顧問の自家用車は砂埃もかぶっている。またその除草作業は部活終了後でないとできないので、平日の夕方だったり、休みの日だったりで、すべてサービス残業。このような教師の犠牲によりかかった制度でよいのか。県の施設なのだから県が責任を果たすべき。
〇ある高校のPTA総会に保護者として参加していたところ「パソコンの故障が増えていて1年生に全員に貸与できない。購入できる人は自分で買ってほしい」との話が出た。高価でもあり保護者負担とすべきではない。県は容認したのか?
〇パソコンの修理に多くの時間が取られている。これは教員の仕事なのか? 子どもと向き合う時間を削られてパソコンと向き合わないといけないのはおかしい。

議員はこういう現場の声にまず寄り添ってほしいものです。

密室談合と政党間の取引で何事も決めてしまう日本の政治は、「民主主義12歳」(マッカーサー)のレベルから成長していないのかもしれません。

「教師を殺す気か」現役教員が語る”沈みゆく教育現場”、給特法改正は「評価できない」(弁護士ドットコムニュース) – Yahoo!ニュース

国が思い描いている将来はこうです。

右表の「主任教諭」が今回新設された主務教諭のモデルです。ちなみに主任教諭の賃金は導入前の教諭の賃金より低いそうです。

教職調整額の引き上げの財源は、文科省内のやりくりでと財務省からくぎを刺されているので、どこかを削らないといけません。だから特支の調整額を半減にしたり、教員特別手当を3分の2にしたりしているのですが、それでもまだまだ足りません。基本賃金を削る以外にないのです。そのために主務教諭を導入して全体を引き下げます。

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教職調整額10%になっても、今より所得は下がっているかもしれません。

文句を言っても県教委は「昇任しなかったからだ。あなたの努力が足りないのだ」としか言わないでしょう。

文科大臣がコメント

 5年かけて10%にしか上げず、しかも多くの手当等を削るくせに、「約50年ぶりとなる教員給与の引き上げを実現します」とは、よく言えたものです。

 またもともと既定だった中学校35人以下学級の他に、教職員を増やす具体的計画は何ら示していないにも関わらず、「取組を進めるにあたり、各教育委員会や学校が、最も重要な主体であることは言うまでもありません」などと責任を下へと丸投げです。

文科相「働きがい感じられる職場環境に」 教員の働き方改革(毎日新聞) – Yahoo!ニュース

全教、記者会見

6月11日、給特法等改定案の成立を受けて、全教は記者発表を行いました。10社の報道機関が参加しました。「主務教諭」の創設と特別支援にかかわる「給料の調整額」の半減に関わる質問がありました。

 子どもたちのSOSを受け止め、子どもたち一人ひとりの成長と発達に寄り添った教育を実現するために、長時間過密労働と教職員未配置の解消は絶対条件です。全教は、ゆきとどいた教育を実現するため、教育政策の転換と教育予算増の実現をめざします。

 長崎高教組は、改定法案の条例化を許さないたたかいに全力をあげる決意です。

給特法等改定案、参院本会議での討論の要旨

会派は発言順に記載。

共産(反対)   
 残業代不支給が教員を増やさないことにつながっている。
 教職調整額が残業代の代わりなら10%では足りない。
 特支調整額など諸手当等の削減は不当。
 主務教諭の新設は職員の分断を生む。
 時間外労働の存在を認めることが縮減の大前提。

立民・社民・無所属(賛成)
 少しでも長時間労働の縮減につながる修正をと考え、
 立民が中心となって附則をつけたので賛成。
 以下の項目の実施を求める。  
 ①持ちコマ数の削減②教育課程の編成の見直し③教員の増員④支援員の増員、保護者対応などでの措置⑤中学35人学級の次年度からの実現⑥勤務実態調査の実施

維新(賛成)
 教員が時間的精神的にゆとりをもって働くことをめざす法案なので賛成。
 維新が要求して実現した附則は第5条。その趣旨は人事評価の改善が必要ということ。休んだ先生の代わりに働いた時間数の記載欄を設けるなどし、頑張った先生の業績が評価され、賃金やボーナス、昇給に反映するようにすべき。人事評価のしくみを国が示すべき。

国民(賛成)
 一定の前進があるので賛成。
 アフタースクール等の充実も必要。

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