クレスコ

現場から教育を問う教育誌

編集 全日本教職員組合  
定価 825円(税込) 高教組に申し込みで送料無料

2026年1月号 12月20日発行【特集】「共に生きる」を学ぶ学校ー差別・排除を許さない社会へ

 外国人や外国にルーツを持つ人々に対して敵対的な態度をとり、排除しようとする言説が急速に広がっています。2025年7月におこなわれた参議院選挙では、「日本人ファースト」を声高に叫ぶ政党等が大きく得票を伸ばしました。それらの政党に投票した若い主権者も多かったと言われています。

 学校には、さまざまな国籍の子どもたちが在籍しています。社会の動きに大きく影響される子どもたちにとって、どの子も安心して過ごすことのできる学校・教室をつくるためには、お互いの言葉や文化の違いを理解し、偏見や差別を乗り越える学びが不可欠です。同時に、「『日本人ファースト』ってどういうこと?」「中国がもうすぐ日本を攻めてくるってホント?」「日本は外国の援助にお金を使いすぎだ」といった疑問をもつ子どもたちに、私たち教職員・保護者がどのように応答していくのかが問われています。

 本特集では、排外主義に同調することなく誰もが排除されない社会に向けて、学校や教育の果たすべき役割について考え合いたいと思います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 多様な子どもたちが暮らし、それが日常になる彩り豊かな空間を……渡辺雅之(大東文化大学)
  • 「日本人ファースト」と「アメリカ・ファースト」の危険な共鳴……山口智美(立命館大学)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……福井雅英(日本臨床教育学副会長)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……隠岐さや香 (東京大学大学院)

2025年12月号 11月20日発行【特集】平和な社会をつくるのは わたしたち

戦後・被爆80年の節目となった今年、「戦後80年」をテーマに、全国各地で平和教育の実践がとりくまれました。また、多くのメディアで特集番組が放送され、各地で平和記念行事や特別展が開催されました。戦争体験者の方から直接、戦争・被爆の実相を学ぶ機会が少なくなっていく中で、戦争と平和についてあらためて考えるとても大切な年になりました。

 一方で、いまなおロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ地区への爆撃も継続しています。また中国脅威論が叫ばれ、日本政府の防衛力強化を正当化する風潮が広がるなか、高市首相は所信表明演説で、2027年度に軍事費を国内総生産(GDP)比2%に増額する目標について「今年度中に前倒しで措置する」と表明するなど、大軍拡方針を打ち出しています。

 こうしたもとで、あらためて平和の担い手を育てる平和教育のとりくみが重要になっています。本特集では、全国各地でおこなわれている実践に学びながら、今求められている教育の役割について考え合いたいと思います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 戦争ではなく平和の準備を…川田忠明(日本平和委員会常任理事)
  • 戦後80年 歴史に学び、平和な未来をつくるために…浅井義弘(大阪大谷大学)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……普天間朝佳(ひめゆり平和祈念資料館)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • どの子も発達のねがいを持っている…別府哲(岐阜大学)

2025年11月号 10月20日発行【特集】学ぶことは基本的人権だ!~教育無償化の展望~

 今年2月、2025年度予算編成をおこなうにあたって、自民・公明・維新の間で高校授業料や給食の無償化にかかわる合意が結ばれました。これを受け、2025年度政府予算では、課題を残しながらも、年収910万円以上世帯に年額11万8800円支援する高校生等臨時支援金が計上され、2026年度予算の文部科学省概算要求では、事項要求として小学校の給食費無償化、高校授業料の無償化の拡大が入りました。これらは長年にわたる保護者・市民、教職員の共同のとりくみの成果です。

 しかし、今回概算要求にあがっている施策は事項要求であるため、必ずしも確定したものではなく、来年度予算編成に向けたこれからのとりくみが大切です。また、教材費や制服代や修学旅行の費用をはじめ授業料以外の保護者負担の課題、公立・私立を問わず生徒獲得競争のいっそうの激化が予想されるなど課題は山積しています。

 本特集では、各地からの実態やとりくみの報告をもとに、教育無償の意義と課題について考え合いたいと思います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 無償教育の意義と展望……三輪定宣(千葉大学名誉教授)
  • 私学「無償化」で大阪の高校はどうなったか……志摩毅(大阪府立高等学校教職員組合執行委員長)
  • なぜ今「私学の無償化」なのかー私学助成運動のこれまでとこれから……葛巻真希雄(全国私立学校教職員組合連合書記長)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……尹寅碩(東アジア青少年歴史体験キャンプスタッフ)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……前泊博盛(沖縄国際大学)

2025年10月号 9月20日発行【特集】ジェンダー平等の実現で学校はどう変わる?

 世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数。2025年の日本の順位は148か国中118位です。この10年間ほとんど変わっていません。「ジェンダー平等」という言葉は、社会や学校の中に徐々に浸透してきているものの、すべての国民の基本的人権としてジェンダー格差の解消を推し進める認識も政策もまだまだ不十分です。

 日本国憲法には「個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して」家族的生活がおこなわれることが明記されているにもかかわらず、子どもたちが日々生活している社会には、家父長的な家族観や固定的性別役割分担による差別や偏見が未だに存在しています。学校においては、教科書の記述や、教職員の日常的な言葉遣い、役割分担、子育てや育児への向き合い方などの中にそうした価値観が隠れていて、アンコンシャスバイアスとなって子どもたちのジェンダー認識に大きな影響を与えています。

 全教は昨年10月にジェンダー平等宣言を発表しました。ジェンダー平等の実現にとって教育の果たす役割は大きいとしたうえで、学校や社会の中の「違和感」を子どもとともにあぶりだし、考え、変えていくこと、その際、教職員自身が、ジェンダー平等が実現した社会や学校を具体的に思い描き、子どもたちと共感・共有していくことを呼びかけています。この特集をきっかけにして、近い未来に実現したいジェンダー平等の学校を自由に思い描いていただければと願います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 学校の日常をジェンダーの視点から問い直す……前川直哉(福島大学)
  • 子どもの声から学校の「男性性」をまなざす……大江未知(元小学校教員・大学教員)
  • 国際水準レベルで働くためにー仕事の世界におけるジェンダー平等実現への一歩ー……髙木りつ(全労連副議長)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……松井朝子(パントマイミスト)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……前泊博盛(沖縄国際大学)

2025年9月号 8月20日発行【特集】子どもたちのリアルをつかもう ~こころとからだのSOS~

 2023年度の小・中学校における不登校児童生徒数は約34.6万人。11年連続で増加し、過去最多となりました。学校に行きづらい子どもたちが発しているSOSを、私たちはどれだけ受け止められているでしょうか。

 一方、「子どもの『体験格差』実態調査最終報告書~全国の小学生保護者2097人へのアンケート調査~」(2023年公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン)は、家庭の所得が子どものスポーツ・文化芸術活動や、キャンプ・旅行などの体験活動の少なさに影響を与えていて、「学校外の体験がない子どもの割合」は、低所得家庭ほど多く、世帯年収によって大きな差が生じていると告発しています。コロナ禍で幼児期・少年期をすごした子どもたちの心や身体への影響も気になります。

 すべての子どもたちが個人として尊重される社会、一人ひとりが安心して過ごし、仲間とともに学び、成長・発達する喜びを感じることができる学校であるためには、何よりもまず、子どもの声に誠実に耳を傾け、声にならない声をつかもうと努力することから始めなくてはなりません。本特集が、そうした営みの一助になればと願います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 『子どものからだと心白書』から見えてくる”からだと心”のSOS……鹿野晶子(日本体育大学)
  • 子どもに寄り添うということー聴くことを切り口にして……春日井敏之(立命館大学名誉教授)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……酒井京子(紙芝居文化の会代表・童心社会長)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……前泊博盛(沖縄国際大学)

2025年8月号 7月20日発行【特集】戦後80年、平和への決意 -戦争の実相を学びつづけるー

 戦後・被爆80年となる今年は、8月号と12月号の2回にわたって「平和教育」を特集します。8月号では、「実相を学び、その時代を生きた先人たちの記憶を継承すること」に軸足を置きました。
 私たちが戦争体験者から直接話を聞くことができる時間は残り少なくなりました。それは寂しいことでもあると同時に、80年間日本では一人も「戦争体験者」を出してこなかったという、ポジティブな事実でもあります。日本が戦争をしない・させない「抑止力」になったのは日本国憲法と、「教え子を再び戦場に送るな」とのスローガンを掲げた教職員の奮闘も含めた、市民の平和運動だと私たちは考えます。政府が戦争できる国へ舵を切ろうとするたびに市民が声を上げつづけてきたことと、戦争体験者や戦争遺跡などの地域の戦争の歴史を掘り起こし、子どもたちの実態に合わせてくり返しおこなわれてきた各地の平和教育の実践は、平和を推進する車の両輪です。
 一方、教科書検定による政府見解のおしつけや「政治的中立性」を強調する教育政策等により、平和教育の実践はやりにくさを増しています。戦争の歴史や実相を知らない若者の増加は、戦争する国づくりを勢いづけることになりかねません。
 今特集が、今一度、戦争の加害・被害の実相に向き合い、互いの平和への思いを理解しようと努力するみなさんを勇気づけるものとなることを願っています。【主な内容】

  • ★特集★
  • 戦争の教訓とは何かー戦争加害の歴史に向き合うため……山田朗(明治大学)
  • 平和教育のバトンをつなげるために……黒田貴子(歴史教育者協議会)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……荻野富士夫(小樽商科大学名誉教授)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……前泊博盛(沖縄国際大学)

2025年7月号 6月20日発行【特集】子どもたちに本の世界を――魅力がいっぱい学校図書館

 学校図書館は、子どもたちにとって一番身近な図書館です。子どもたちが本の魅力や読書の意義を知る場として、また探究学習などを通じて自ら学ぶ姿勢を培い、情報リテラシーなどについて学ぶ場として、大切な役割を担っています。さらには、安心して学校生活を送るための「居場所」の役割としても重視されています。

 しかし一方で、学校図書館充実のための課題は多くあります。現在、第6次「学校図書館図書整備等5か年計画」で学校図書館充実のための予算が措置されていますが、使途を特定しない交付金のため、図書の充実、学校司書配置などは自治体によって大きく異なる状況があります。全国どこでもゆきとどいた学校図書館を実現するためには、教育予算を増やし、国の責任で環境整備をおこなうことが求められています。

 本特集では、全国の実践に学び、あらためて学校図書館の持つ魅力と役割、課題について考え合いたいと思います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 子どもと本の出会いの場、学校図書館……木下通子(オフィスみちねこ代表)
  • 子どもたちの読書に選択肢を……木村匡志(小学館マーケティング局アクセシブル・ブックス事業室)
  • 文部科学省の調査に見る学校司書の任用・配置の現状と課題……松井正英(長野・学校司書)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……越高令子(ちいさいおうち書店)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 教員のメンタルヘルス 予防と対処法……井上麻紀(公認心理師・臨床心理士)

2025年6月号 5月20日発行【特集】せんせいの働き方を変えたい #このままでは学校がもたない

 教職員の深刻な長時間過密労働の解消をもとめる声は、いまや国民の圧倒的な世論になっています。

 この間、政府・文部科学省は、さまざまな「働き方改革」を打ち出してきました。しかしそれは、これまで自らおこなってきた教育政策の反省に基づくものでも、現場の教職員の声に耳を傾けたものでもないため、教員不足の深刻化、メンタルヘ
ルス不調による休職者の増加、教員採用試験受験者の減少など、矛盾はますます大きくなっています。注目された給特法改正も、残業代不支給を継続するとともに、主務教諭の新設をはじめ学校現場に分断を持ち込むもので、教職員の要求とは異なるものです。これでは、教職員のいのちと健康、生活が守られないばかりか、子どもたちにゆたかな教育を保障することも困難です。

 本特集は、あらためて学校現場の現状と課題を明らかにし、教育予算の増額、教職員の大幅増、少人数学級実現をはじめ、真に教職員の長時間過密労働を解消するための施策実現に向けて、子どもに関わる人たちが力を合わせていく機会にしたいと考えます。【主な内容】

  • ★特集★
  • 子どもたちの未来と教師の働きがい……児美川孝一郎(法政大学)
  • 政府がねらう労基法「解体」から見る教職員の働き方のゆくえ……土井直樹(全労連厚生労働局長)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……ナターシャ・グジー(歌手)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……清末愛砂(室蘭工業大学大学院)

2025年5月号 4月20日発行【特集】子どもたちに自由な時間を――あそびは子どもの主食だ

 1989年に採択された国連・子どもの権利条約(日本は1994年に批准)の第31条は、「遊び・あそび」はすべての子どもが持つ権利としています。「遊び・あそび」は、子どもたちが生まれながらに持っている能力を伸ばし、成長していくのに欠かせない重要なものです。

 しかし、学校の中でも外でも、子どもたちの自由な時間、「遊び・あそび」の機会が十分に保障されているとは言えません。国連・子どもの権利委員会も、日本政府に対して、日本の学校教育制度が非常に競争的であり、その中で子どもたちにさまざまな問題が生じていることを何度も指摘してきました。

 「遊び・あそび」は子どもたちにとって、要求であり、生活であり、成長・発達のエネルギーの源です。今特集では、さまざまな立場から子どもたちにかかわっている方の実践から、子どもたちにとって「遊び・あそび」とは何かを考え合いたいと思います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 「あそび・遊び」は子どもの主食……増山均(日本子どもを守る会会長)
  • 子どもは「遊び」でヒトになり、人間になる……野井真吾(日本体育大学)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……奥田靖二(浅川金刀比羅神社宮司)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……清末愛砂(室蘭工業大学大学院)

2025年4月号 3月20日発行【特集】ようこそ「せんせい」2025

この春、新しく「せんせい」になられたみなさん、おめでとうございます。

子どもたちにとって希望と期待にあふれる新学期のスタート。新しく「せんせい」になられたみなさんも、子どもたちと同様、希望を抱いて子どもたちの前に立たれることでしょう。しかし一方で、子どもと学校をめぐってはさまざまな困難や課題が指摘されています。教職員の働き方については、大きな社会問題となっています。不安や悩みを抱えておられる「せんせい」も多いかもしれません。

そうしたなかでも、志をもって教職に就かれるみなさんが安心して子どもたちと向き合い、日々の教育活動をすすめられるよう、私たちは全国の仲間とともに支え応援したいと考えています。子どもたちの豊かな成長のために、子どものこと、教育実践のことなどを率直に語り合い、いっしょに学校づくりにとりくんでいきましょう。本特集に寄せられたたくさんのメッセージが、その一助となることを願っています。【主な内容】

  • ★特集★
  • 学校が安心できる居場所であるために……檀原毅也(全日本教職員組合中央執行委員長)
  • 授業づくり / 学級づくり / 保護者との関係づくり / 親として、教師として
  • 【知っておきたい教職員の権利2025】勤務時間 / 休暇制度 / 職場のハラスメント
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……和田靜香(ライター)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……清末愛砂(室蘭工業大学大学院)

2025年3月号 2月20日発行【特集】未来につなぐ復興へ――命と人権を守る教育を

 能登半島地震から1年が経過しました。被災地の現状は公費解体の遅れや関連死の増加、仮設住宅での孤立死など、国や県、自治体の援助が被災者一人ひとりまでには十分行き渡っておらず、被災者の生活や生業再建には程遠い状況があります。

 30年前に発生した阪神・淡路大震災や、東日本大震災・東京電力福島第一原発事故をはじめ、地震や台風などの自然災害が多発しています。これから起きうる災害に備え、「子どもたちの命を守り、人権を大切にする」視点で学校教育(震災教育・防災教育)や復興支援のあり方を問い直し、誰もが安心して生きられる社会を実現していくことがもとめられています。

 今特集では、震災や原発事故による影響が続く被災地の現状を知るとともに、各地での実践を学び合い、私たちの今後のとりくみにいかしていきたいと考えます。【主な内容】

  • ★特集★
  • 発達と教育に関する施策――フィールドワークや震災学習の実践から……田口久美子(和洋女子大学)
  • 命を守るために発災前にできること……上久保廣信(NPO法人地下からのサイン測ろうかい副代表)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……田原ちひろ(東京学生平和ゼミナール)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……清末愛砂(室蘭工業大学大学院)

2025年2月号 1月20日発行【特集】語り合おう教科書―子どもたちのための学びをわたしたちの手に

 毎日、子どもたちが手にする教科書は、子どもたちに真実を伝え、子どもたちの心を豊かにし、学ぶ喜びをひき出すものであることが大切です。そのためにも、“子どもにとってどうなのか”という視点から、私たち教職員、保護者・市民の声が尊重されることがもとめられます。

 しかし一方で、「カリキュラム・オーバーロード」と言われる学習指導要領の押し付け、放置され続けている教職員の長時間・過密労働や全国的に大きな問題になっている教職員不足、経験ある教職員の大量退職などのもとで、採択された教科書を終わらせることに手いっぱいになってしまっている現状もあり、「教員の地位に関する勧告」でもうたわれている教科書を選び、使うという教員の専門性にかかわって大きな課題となっています。

 本特集では、全国での実践やとりくみから教科書について考え合う機会にしたいと考えます。【主な内容】

  • ★特集★
  • 教科書制度はどうあるべきか……前川喜平(現代教育行政研究会代表)
  • 【報告】小学校 / 中学校 / 高校 / 特別支援教育
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……川中だいじ(日本中学生新聞)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……清末愛砂(室蘭工業大学大学院)

2025年1月号 12月20日発行【特集】障害のある人のいのちと尊厳―優勢思想をのりこえる

2024年7月3日、画期的ともいえるニュースが報道されました。旧優生保護法により不妊手術や中絶手術を強制されたことは憲法違反だとし、全国の障害者らが国に損害賠償を求めていた訴訟の最高裁大法廷の判決がだされたのです。

障害のあるものを「不良」であるとみなし、「不良な子孫」を出生しないようにする目的で制定されたこの法に対して、立法時から違憲だったとするもので、15人の裁判官全員一致の原告側の全面勝訴の判決となりました。このことは社会が「優生思想」を克服する上での大きな前進になると確信します。

しかし、同7月に新聞報道されたある記事では、受精卵の着床前検査の申請数が増加しているとありました。体外受精した胚の細胞を検査し、遺伝子疾患が判定されれば着床前に受精卵を排除するもので、国によっては法律で規制されている検査です。

今回は「優生思想」というテーマで、疾患や障害のある人のいのちと尊厳が社会の中で揺らいできた事実をとらえ、そして「優生思想」をのりこえるために教育ができることは何かを探っていく特集としたいと考えます。【主な内容】

  • ★特集★
  • 優生思想をのりこえるための端緒……竹内章郎(岐阜大学名誉教授)
  • 優生保護法問題で国に鉄槌……藤井克徳(NPO法人日本障害者協議会代表)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……畠山澄子(ピースボート共同代表)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……清末愛砂(室蘭工業大学大学院)

2024年12月号 11月20日発行【特集】登校拒否・不登校から見える景色――安心できる居場所がほしい

 文部科学省は10月31日、「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」を公表しました。調査によると、不登校の状態にある子どもは、小学校で130,370人(前年度105,112人)、中学校で216,112人(同193,936人)、高校で68,770人(60,575人)となり、前年度を大きく上回りました。

 増加の一途をたどる登校拒否・不登校問題について考えるうえで、子どもたち、保護者が直面している困難、思い・願いに寄り添いながら、学校教育のあり方を問い直し、子どもたちにとって安心できる場所、自分らしく居場所を保障していくとりくみが大切です。

 今特集では、各地の学校現場やNPO、保護者のとりくみに学び合う機会にしたいと考えます。【主な内容】

  • ★特集★
  • 「心とからだが動かない―子どもたちを追いつめる教育・社会……山岡雅博(京都教育センター)
  • 子どもが安心できる居場所のある学校づくりと、地域・親の会でのつながりづくり……熊谷直樹(登校拒否・不登校問題全国連絡会)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……堀越英美(文筆家・翻訳家)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……太田啓子(弁護士)

2024年11月号 10月20日発行【特集】ともに歩もう! ジェンダー平等と教育の世界へ

 2024年6月に公表された「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」によると、日本は156か国中118位でした。他国にくらべて、女性管理職の割合の低さや、所得の男女格差の大きさなど、課題は山積しています。そして、社会におけるジェンダー・ギャップの影響は、学校はもちろん子どもたちの日常の生活の中にも入り込んでいます。

 ジェンダー平等は、生まれた体の性別によって個人の能力や思考、行動が制限されずに生きることのできる社会、すべての人の基本的人権が尊重される社会を実現するために必要です。「女らしく」「男らしく」ではなく自分らしく生きられるよう、これまでも教育現場ではさまざまなとりくみが進められてきていますが、その達成のためには、今後も豊かな実践の積み重ねが求められています。

 今特集では、全国各地でとりくまれている実践を学び合い、学校におけるジェンダー平等の実現と教育の課題について考える機会にしたいと考えます。【主な内容】

  • ★特集★
  • 学校におけるジェンダー平等を考える……片岡洋子(千葉大学名誉教授)
  • 保健室から発信するジェンダーの課題……金子由美子(認定NPO法人さいたまユースサポートネット)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……清水睦美(日本女子大学)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……太田啓子

2024年10月号 9月20日発行【特集】教職員の長時間労働と「中教審答申」を問う

 2024年8月27日、中央教育審議会は「『令和の日本型学校教育』を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について〜全ての子供たちへのよりよい教育の実現を目指した、学びの専門職としての『働きやすさ』と『働きがい』の両立に向けて〜(答申)」をまとめ、文部科学大臣に手渡しました。

 教職員の長時間労働が大きな社会問題となっているもと、「審議のまとめ」を受けておこなわれたパブリックコメントには、わずか2週間で1万8354件もの意見が寄せられるなど、教職員にとどまらず多くの保護者・国民の関心が集まっていました。しかし、「答申」はさまざまな理由を述べて、教職員増による授業の持ち時間数の上限設定、時間外労働に対する手当支給など、教職員の長時間労働解消を求める切実な声に背を向け、さらには「新たな職」の導入を盛り込むなど、教職員間の分断、管理強化を強めるものになっています。

 本特集は、「答申」の具体化を許さず、真に教職員の長時間労働を解消させるたたかいを全国で進めていくために、その問題点を明らかにしたいと思います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 徹底批判・中教審答申……檀原毅也(全教書記長)
  • 義務標準法「乗ずる数」改善でせんせいふやそう……山﨑洋介(教育条件を調べる会)
  • 時間外「在校等時間」の問題点を法的観点から考える……加藤健次(全教常任弁護団代表)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……蝶花楼桃花(落語家)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(ジャーナリスト)
  • 憲法と私……太田啓子(弁護士)

2024年9月号 8月20日発行【特集】学校給食の未来を私たちの手に ~その課題と可能性

 学校給食は、子どもたちの適切な栄養の摂取という役割を持つとともに、食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけるための生きた教材でもあります。給食を通して、食材・食品の栄養とはたらきを学び、生活をも見つめ直す機会になるだけでなく、苦手なものが食べられた喜びを感じ、友だちと関わりながら食べることで子どもたちの成長にもつながっています。

 子どもたちに安心・安全でゆたかな学校給食を保障するためには、自校直営方式で、学校栄養職員・栄養教諭を1校1名配置することなど、行政の責任でおこなう必要があります。しかし、現在、自校直営方式からセンター方式への切り替え、センター方式の大規模化、民間委託化など、財政効率を優先した政策が進んでいます。

 本特集では、給食無償化が全国的に広がり関心が高まっているいま、学校給食をめぐる課題をとりあげるとともに、全国各地での実践に学び、あらためて教育としての学校給食のあり方について考え合いたいと思います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 給食と子どもたちの存在……藤原辰史(京都大学)
  • 子ども・保護者とつながる食教育としての給食……猪瀬里美(栄養教諭)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……中沢けい(作家)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(TBS「報道特集」特任キャスター)
  • 憲法と私……田中章史(東京憲法会議事務局長)

2024年8月号 7月20日発行【特集】子どもたちと語り合おう、HEIWA

 ロシアによるウクライナ侵攻がはじまって3年目を迎えます。また、パレスチナ・ガザ地区では、イスラエル軍による攻撃によって多くの命が奪われています。こうしたなか、即時停戦をもとめる世論や、ジェノサイドに対する抗議行動が世界各地で広がっています。

 いま、平和憲法を持つ日本が役割を発揮するときです。しかし、日本政府は、「台湾有事」などを口実に、軍事費の増大、「安保3文書」の具体化をはじめ「戦争する国づくり」を急速に進めています。4月の日米首脳会談では共同声明を発表し、日米同盟のさらなる強化を進めようとしています。

 こうしたもとで、子どもたちが平和について学び、考え合う機会を保障していくことがとても大切になっています。しかし一方で、学校現場では、深刻な長時間労働や教育の管理統制が強まるなかで、「平和教育を実践しにくい」「職員室で政治の話題をしづらい」といった現状があります。

 本特集では、全国各地でおこなわれている平和教育の実践や、若者のとりくみなどに学びながら、今日における教育の役割について考え合いたいと思います。【主な内容】

  • ★特集★
  • 今日の国際情勢と憲法をめぐる課題……中野晃一(上智大学)
  • 現代の問題に切り結ぶ平和教育を……平井美津子(大阪・中学校教員)
  • 真実と平和を学ぶ よりよい教科書を、子どもたちに……糀谷陽子(教科書ネット21)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……北原モコットゥナシ
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(TBS「報道特集」特任キャスター)
  • 憲法と私……田中章史(東京憲法会議事務局長)

2024年7月号 6月20日発行【特集】学校統廃合はだれのため? —公共を地域にとりもどす

全国各地で学校の統廃合が進められています。
学校統廃合は、子どもたちの教育にとって大切な問題であると同時に、学校区を基盤とする地域コミュニティなど地域住民全体に関わる重要な問題です。もし統廃合を検討するのであれば、十分に議論し、住民の合意を得ながら進められるべきものです。

しかし、この間進められてきている学校統廃合は、人口減少や過疎化といった社会構造の変化を理由に、政府が主導していることに大きな要因があります。とりわけ最近では、「民間の力」を導入しながら学校への公共施設の集約化・複合化といった、「公共サービスの産業化」の動きも広がっています。そこには、子どもたちや地域住民にとって必要な学校をつくり守るという視点はありません。

本特集では、現在進められている学校統廃合施策の動向や学校統廃合の現状、各地での運動に学び、「公共を地域にとりもどす」とりくみについて考える機会にしたいと考えます。【主な内容】

  • ★特集★
  • 学校統廃合の新たな段階……山本由美(和光大学)
  • 公共施設再編と学校統廃合の焦点……平岡和久(立命館大学)
  • 【報告】小中一貫校 / 義務教育学校 / 高校 / 特別支援学校 ほか
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……井野朋也(ビア&カフェBERG)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(TBS「報道特集」特任キャスター)
  • 子どもも大人も電子スクリーン症候群……大谷良光(子どものネットリスク教育研究会代表)

2024年6月号 5月20日発行【特集】外国ルーツの子どもたちに寄りそって

2021年度に文部科学省が実施した「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」では、日本語指導が必要な児童・生徒は外国籍・日本国籍あわせて5万8307人と報告されました。今後も、外国ルーツの子どもたちは増加し、国籍も多様化していくことが予想されており、学校現場でもどのように向き合っていくのか大事な課題となっています。

外国ルーツの子どもたちにとっての困難は、「言語の壁」にとどまらず、いじめや差別、不就学や不登校、中途退学、進路・就職の困難など多岐にわたります。しかし、日本語指導教員・日本語指導員をはじめ、学校への人の配置は十分なものではなく、課題は山積しています。どの子もが安心して学び、生活し、成長できる環境を、急いで整備することがも
とめられます。

今特集では、外国ルーツの子どもたちをとりまく現状と課題を共有し、各地での実践に学び合いたいと考えます。【主な内容】

  • ★特集★
  • 外国ルーツの子どもたちに寄りそえる教員とは……オチャンテ・村井・ロサ・メルセデス(桃山学院教育大学)
  • 日本語指導が必要な児童・生徒と学校教育……笹山悦子(愛知夜間中学を語る会)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……ダニー・ネフセタイ(家具作家)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(TBS「報道特集」特任キャスター)
  • 憲法と私……梅原利夫(和光大学名誉教授)

2024年5月号 4月20日発行【特集】子どもが幸せに生きる社会を求めて―子どもの権利条約批准30年

1989年11月20日の国連総会で、「子どもの権利条約」が全会一致で採択されました。
この条約は、18歳未満を子どもと位置づけ、世界のすべての子どもたちに、自らが権利を持つ主体であることを約束したものです。国連加盟国数を上回る196の国・地域で締結され(2021年11月現在)、世界で最も広く受け入れられている条約となっています。

日本は1994年4月22日に批准し、今年30周年となります。
しかし、「子どもの権利条約」を締約しただけで子どもの権利は守られるようなものではなく、日本でもいまだ課題は山積しています。

本特集では、あらためて「子どもの権利条約」について学び合い、子どもの権利が実現する社会にむけてとりくみを進めたいと考えています。【主な内容】

  • ★特集★
  • 「子どもの最善の利益」を考えるために……増山均(早稲田大学名誉教授)
  • 子どもの権利条約批准30年と自治体の子ども行政……児玉洋介(子どもの権利条約市民・NGOの会)
  • 生きるための主権者教育……川中たいじ(日本中学生新聞)
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……柴田真佐子(日本婦人団体連合会会長)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(TBS「報道特集」特任キャスター)
  • 子どもも大人も電子スクリーン症候群……大谷良光(子どものネットリスク教育研究会代表)

2024年4月号 3月20日発行【特集】「せんせい」になったあなたへ2024

 この春、新しく「せんせい」になられたみなさん、おめでとうございます。

 子どもたちにとって希望と期待にあふれる新学期のスタート。新しく「せんせい」になられたみなさんも、子どもたちと同様、希望を抱いて子どもたちの前に立たれることでしょう。しかし一方で、子どもと学校をめぐっては、マスコミやSNSでさまざまな困難や課題が指摘されているなかで、不安や悩みを抱えておられる「せんせい」も多いかもしれません。そうしたなかでも、志をもって教職に就かれるみなさんが安心して子どもたちと向き合い、日々の教育活動をすすめられるよう、私たちは全国の仲間とともに支え応援したいと考えています。

 学校では、さまざまな職種の教職員が協力し合って、子どもたちと向き合っています。保護者や地域の協力・支援も大きな力になります。子どもたちの豊かな成長のために、子どものこと、教育実践のことなどを率直に語り合い、いっしょに学校づくりにとりくんでいきたいと思います。本特集に寄せられたたくさんのメッセージが、その一助となることを願っています。【主な内容】

  • ★特集★
  • いきいきと働くことができる職場を あなたも教職員組合へ……宮下直樹(全日本教職員組合中央執行委員長)
  • 授業づくり / 学級づくり / 保護者とのつながり
  • 【知っておきたい教職員の権利2024】
  • ☆連載☆
  • 私の出会った先生……山田洋次(映画監督)
  • 世界の取材現場から見た日本……金平茂紀(TBS「報道特集」特任キャスター)
  • 憲法と私……梅原利夫(和光大学名誉教授)