野乃あざみ・作
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三(4)
「頭にパーマかけて、長かスカートぼはいた女子が七、八人で輪になって、真ん中には、二人だけポツンと立っとる。『話し合いしよるけん、邪魔せんで』って、リーダー格らしか子の言うたとさ。『ちやんと木村先生に許可ばもろうとる』って。職員室に戻って確かめたら、間違いなかって言われて、またビックリ。『自分たちの問題は自分たちで話し合えって言うたとさ。ただし、絶対に手は出すなって言うとるけん、大丈夫』ってさ」
「本当に大丈夫かな? 何か、ニュースで見た、女子校のイジメと似とる気のする」
「いや、それは違う。木村先生ば裏切るなんて、そんなことはできんさ。信頼関係の崩れてしまうけんね。『教師がいちいち口を出して指示するよりも、自分たちの思うたことば言うて、お互いに納得する方がよか』っていうとが、先生の考えやった。あん時の問題は、新入生のスカートの長すぎるっていうことらしかったけどね」
「何やそれ? 自分たちも長かスカートばはいとるとに、おかしかやろ」
「確かにおかしかけど、大人の社会でも似たようなことはあるやろ。上級生にしてみたら、少しでも敬意ば見せてほしか、ていうことやったかもしれん」
「なるほどね、それで、結果はどうなったと?」
「まあ、平和的に解決したみたいやね。新入生の方も、中学から目立ちたがりで、意気がって、そういう格好ばしてみたかったらしか。そいでも、話し合って、お互いの気持ちの理解できて、何とか折り合いのついたていうことやった」
「何かようわからんけど、丸く収まってよかつたね。それにしても、変な学校」
「本当にそうやね。でも、あそこの経験は、本当に、勉強になったとよ」