教員特別手当に関する県教委交渉(251117)

【人手不足の中で人材確保の手当を削る矛盾について】
そもそも教員特別手当は人材確保法に基づき「優れた人材を確保」(第1条)することが目的で支給されています。戦後最悪ともいえる人手不足の状況の中で、それを3分の1も削るのは法の趣旨にも反するものであり大きな矛盾です。私たちの組合はこの点を指摘し県教委の見解を質しました。県教委は「国の基準変更と人勧・人事委勧告に沿ったもの」と述べることしかできませんでした。

【担任加算で仕事が増える可能性について】
 出席統計や成績入力を正・副担任のどちらがやるか、SHRやLHRにどの程度副担任が参加するか、欠席・遅刻生徒の保護者への確認を正・副のどちらがやるかなどといったことは、多くの職場ではこれまで細かく区分けをせずに互いに協力し合ってやってきました。しかし担任のみに加算がつけば、「責任の重い立場の人はその責任を果たすべきだ」という意識が生まれますので、副担任が仕事を断ったり、担任が遠慮して一人で背負ったりといったことがより強まります。この結果、担任の仕事がさらに増えることになりかねません。
 正・副担任の仕事を区分けしている職場もありますが、その基準は職場ごとにまちまちなので、「前の職場ではそれは担任の(副担任の)仕事だった」などと主張しあって、信頼関係が崩れかねない状況も起こり得ると想定されます。
 職務手当は職務が明確であることが前提であり、私たちの組合は県教委がどのように区分けを考えているか質しましたが、県教委の回答は「特に考えていない」とのことでした。教育の本来のあり方に沿ったものとみることもできますが、加算の提案者としては、もたらす結果に対して無責任な対応であると言わざるを得ません。

【調整額理由の特支除外は不当】
 担任手当の支給対象から特支学級・学校の担任を外した理由を県教委は「調整額があるから」と回答しました。調整額は職務の特殊性を根拠として支給されるもので、人材確保とは趣旨がまったく違います。調整額があるから加算しなくてもいいだろうというのは、ただ数合わせのための理屈にすぎず、何ら合理性を持つものではありません。私たちの組合はこの点を指摘し不当な差別であるとして、見解を質しました。

【この手当が減収となる場合もあることについて】
 担任加算3,000円とはいっても3分の1削減した後なので、実際に担任が受け取る額は3,000円より安くなります。県教委の資料によると2級1号給だと、単独担任で2,200円プラス、1学級2人担任で700円プラスとなっています。2級93号給(教諭だと40代半ばほど)だと、単独担任で1,100円プラス、1学級2人担任で400円マイナスとなります。担任をすることのない養護教諭や実習教員、寄宿舎指導員などはさらに大幅な減額となります。
 この点について私たちの組合は、教職調整額を引き上げても、片方で手当等を削れば本末転倒であり、教職調整額の財源は別に確保して行うべきと指摘しました。
 県教委は、教職調整額を上げるには大きな財源が必要であり、財務省が拒否している以上他を削らざるを得ないと回答しました。そして教職調整額は退職金も含め多くの手当の基礎額となっており、はね返り(手当への)は大きいとし、教員特別手当だけだと減額でもトータルでは増額と述べました。
 私たちの組合は、教職調整額と教員特別手当はそれぞれ別の趣旨で支給されており、片方の引き上げのために片方が使われるのは不当であると指摘しました。また教職調整額は長時間過密労働の埋め合わせであり、決して値切ってよいものではないと指摘しました。