舎監業務の矛盾
高教組は、労働時間の法的整理が不十分なままになっている舎監業務について、現場の具体例を示して改善を迫りました。これに対し県教委は「現場の先生方の生徒を思っての献身的対応に頭が下がる。負担が重くならないようにしたい。今年度から一部の学校の寮で民間から舎監を雇っている。今後増やしていくかどうかその状況をみて検討したい」と回答しました。
競争的管理的な教育からの転換
高教組は、人員配置や法的整理を伴わずともすぐに可能な多忙解消案として、競争的・管理的な教育からの転換を要求しました。県教委は「多くが同意できる。全てを教師がおぜん立てするのではなく生徒が自分で考えるような方向に転換させていきたい」と回答しました。
教育長は教職員の多忙な状況について、「「働きがい」改革では成果を出したいと思っている」「皆さんとも協力をしながら取り組みたい」と述べました。
イノベーションハイスクールについて
新規事業「イノベーションハイスクール」について、高教組は具体的内容の説明を求め、県教委は次の通り回答しました。
「生徒主体の学校づくりを進め、生徒に委ねる部分を多くする。そのことで教職員の「働き方」改革も進める。例えば生徒主体の学校行事の運営、生徒が学校のルール策定に関わっていくとか。他県の先進校の視察もやりながらやっていく」
生徒参加の学校づくりは、組合の要求に沿ったものであり、県教委がその方向を部分的ながらも明確に示したのは、大きな前進といえます。該当分会では民主的学校づくりのチャンスととらえ、積極的なリードが期待されます。
教育業務支援員
新規事業としての「教育業務支援員」の配置について、高教組は業務内容を明らかにするよう求め、県教委は以下の通り回答しました。
ICT関係業務(一人一台端末の更新や故障対応、ホームページの更新等)/配慮が必要な生徒(別室登校等)の見守り対応/配布文書や教材等の印刷・仕分け等/自習監督/探究活動等に係る外部団体との連絡/データの入力・集計/会計事務/備品の確認・整理/提出物確認 ただし各校により内容は異なる。
出退勤管理システムへの入力
教職員の多忙解消の目的で出退勤時間を把握するために、教職員個々人に入力させている出退勤記録簿ですが、管理職が勤務時間を少なく入力するよう、直接求めたり、暗にほのめかし忖度を求めたりするようなことがあったとしたら、「公文書改ざん」ともいえる大きな問題です。そのようなことがゆめゆめないよう、高教組は県教委に管理職を徹底指導するよう求めています。この交渉でも改めて高教組は求め、県教委は「書き換えを求めることがないよう、校長会や教頭会等で改めて指導してまいります」と回答しました。