成果主義賃金とは、労働の成果に応じて賃金を支払うというものです。
民間、公務を問わず成果主義がこの20年ほどの間に広がりました。
現在、その弊害が明らかになって、民間では見直しもなされていますが、公務では議会で賃金が条例として決まるので、いったん入ったらなかなか変わりません。
成果主義は、働く者に自己責任の考えを抱かせて、競争に追い立てます。互いに競争し合い暗黙に批評し合いますから、同僚性は弱まります。したがって労働組合の力も弱まります。使用者は思い通りの結果を出した人のみにそこそこのお金を支払い、後は低く抑えます。そうすればますます労働者は競争して頑張ります。このため、使用者としては人件費を減らすことができます。
しかし賃金は労働力の代金であって、頑張ったご褒美ではありません。成果に応じて支払われるというのはおかしな話です。
また、そもそも教育において、成果とは子どもたちの成長ですが、それをどこまで正確に測れるでしょうか? 見えない部分でちゃんと成長している子どもたちも大勢いて、教職員も保護者も気づいていないだけだったりもします。また評価する人がどんなに優れた人であっても、神様ではないので、どうしても見落としや、勘違い、思い込みがあります。
それに教育は同僚性が最も重要であり、またお金で動かされるべきものでもありません。
成果主義は、労働者の賃金の支払い方として大きな問題をまず抱えていますが、さらに教育においては、なじまない、そぐわないものであり、学校には害悪ばかりをもたらす、不要のしくみです。子どもたちのためにも一刻も早く廃止することが求められています。