全国教育研究集会2024

 教職員と保護者、研究者、市民らが子どもと教育について語り合う「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2024」(主催は全教など25団体でつくる実行委員会)が16~18日の3日間、大阪市内で開催されました。のべ約5000人が参加しました。長崎高教組からは、レポーター7人、一般4人(オンライン2人)が参加しました。コロナ後で最多となりました。
 参加者の感想と会の詳細は、3月発行予定の教文誌「長崎の教育」(全組合員配布版)に掲載予定です。

1500人が集まった開会全体集会。
オープニング、バイオリン演奏での「パリは燃えているか」に会場は感動の拍手。
=8月16日、大阪市・中央公会堂

全教実習教員部中四九ブロック 学習交流集会

8月10、11日に山口県長門市と萩市で開催。長崎からは4人が参加しました。実習教員制度改革のとりくみについて学習を深め、長崎鶴洋高と共同実習船を運営している大津緑洋高水産校舎の実習設備を見学、萩焼の工芸体験や、幕末の史跡のフィールドワークなども行いました。

2024夏季教育研究集会

田中康寛氏(大阪教育文化センター事務局次長)=8月10日、長崎市・出島メッセ

夏季教育研究集会(夏季教研)を、8月10日、長崎市・出島メッセにて開催しました。

講演では、大阪教育文化センター事務局次長の田中康寛氏が、教育の場でのタブレット利用がとても危険なものであることを、学力面、健康面、社会・政治面など様々な点から指摘しました。タブレット利用先進国では深刻な学力低下が起こり、紙の教材に戻す国も出てきているとのことです。また企業は個人情報をあらゆる手段で収集しており、国家による国民管理にも利用され得るとのことでした。衝撃的な話の数々で、参加者は色々と考えさせられました。

隣のヒルトンで食事の後、午後からは領域別分科会を開催しました。昨年よりも多くのレポートが集まり、それぞれの分科会で熱心な討議が行われました。

【講演の感想】

〇教育におけるICTは、使い方を間違うと良い影響は与えないだろうと思っていたが、実際にそうだったんだとデータなどで示していただいてわかった。わかった段階で方向転換していただけるとありがたいと思いますが、日本は、間違いを認めきれないのでは……と思っています。

〇学校での生徒情報の入力もそうだが、何でもデータでつながってしまうのが、こわいなと思っています。

〇インターネットが子どもたちに与える影響の大きさは何となくわかっていたつもりだったが、改めてデータを示されると、一人一台端末に疑問が出てきた。

〇個人データの企業への吸い取りの実態にも驚いた。生徒たちにも、情報を安易にネットに流さないように指導したいと思う。

〇知らないところでデータが国に吸い上げられていることに、恐怖を感じた。

〇これまで違和感を感じていたICT。アナログの良い面を全否定し、デジタルが広がっている現状に漠然と危機感を持っていました。多くの検証結果を示していただき、本当にありがたいです。人として社会として、失うものが多いICTの危険性を伏せたまま推進していく政策は、注視する必要があると思いました。

〇スマホやタブレットをはじめ色々なもので色々な情報がとびかっている。自分の情報を守るということをしっかりと考えていかなければと思いました。

〇大変面白かった。GIGAスクール推進の問題点を多く網羅していたと思う。

〇この問題については以前何かの記事でも読んだことがありましたが、今回、改めてデータで示され、よく理解できました。スマホやネット、ICT利用の善悪を認識できました。

〇デジタル化は、教員のプロジェクタ使用については効果があるが、生徒に与えてしまうと学力向上につながらず、むしろマイナスになることがあるとわかった。保護者の承諾とは情報を関連会社に渡すこととの話があり、これについてもよく考えねばと思った。

〇欧米諸国で教育のデジタル化の弊害がこれほど問題になっていることに驚きました。こうした状況を職場でも知らせていかなくてはならないと思った。

〇豊富な科学的データや脳科学知見に基づいた講演でICTと学習の関係がよくわかりました。

〇「無償の対価」と「個人データ主権」しっかり考えなければいけないと思いました。

【分科会の感想】

〇障がいを抱えた子どもさんへのサポート体制のつくり方、とても参考になった。どんな点が大切でどんな対応をしていけばよいかとてもよくわかった。自分のこれからの対応に活かしていきたい。

〇支援員の件は引き続き管理者の責任の所在をはっきりさせる必要栄を強く感じました。

〇それそれのレポートがよかった。主権者許育は投票に行かせるための教育ではないと思った。学級通信での工夫、1年間続けることが大変なので、よく続けられていると思った。卒業生を送る会、卒業生のためにかなりの時間をかけて動画をつくってあり、とても勉強になった。

〇養護教諭で集まって情報交換と健康診断についての確認ができてよかったです。ありがとうございました。

〇諫早湾干拓問題、道徳教育、平和教育など、様々な分野の具体的なレポートを拝見してたいへん勉強になった。

〇平和教育と人権問題、大変興味深かった。同和問題は最も心に残った。考えていかなければならない問題だ。

【全体感想】

〇アクセスの良い場所でありがとうございました。

〇会場はとても気持ちのよいところでした。

〇おいしい食事をいっぱいいただき、楽しい意見交換をし、お腹いっぱいの一日でした。

〇場所は持ち回りでどうか。次は佐世保などどうか。

全国学校事務研究集会

8月3、4日に山口市で開催。長崎からは2人が参加しました。長崎高教組の青年組合員が推進委員のブロック代表を務め企画運営に大きく関わりました。性の多様性と給食無償化についての2つの講演があり、分科会では事務職員の労働面や教育条件整備運動などでの意見の交流がなされました。

全国学校図書館学習交流集会

7月27、28日に東京で開催。長崎からは1人が参加しました。文筆家の堀越英美さんの講演で、10代は同世代が勧める本に興味を持つ、子ども本人に読みたい本を聞くことが大事などとの話がありました。